SKIP
この前GWでしたよね。4/26~5/5に池袋サンシャイン劇場で深川麻衣さんと霧矢大夢さん主演の舞台『SKIP』が行われていました。ぼくはその千秋楽を見に行ってきたんですよ。感想をここに書いておこうと思います。
『SKIP』は北村薫さんの「スキップ」を原作としています。僕は全く読んだことがなく完全な初見でこの舞台『SKIP』を観劇しました。"SKIP"がどのような意味なのか、この舞台を見てその意味が分かりました。
どのようなお話なのかというと、17歳で高校2年生の一ノ瀬真理子(深川麻衣さん)が運動会が雨で中止になり、帰宅してレコードを聴きながらうたたねをしてしまい、目覚めたときには25年後の42歳に"SKIP"してしまっていた……という物語です。42歳の真理子(霧矢大夢さん)、彼女には夫と17歳の娘がいて苗字は桜木になっていました。職業は高校の国語の教師。もちろん記憶は17歳のままですからこの現実を受け止めどのように生きていくのか、それがこの物語では描かれています。
この舞台に出て来る言葉はすべて原作通りだそうです。舞台と原作では舞台に合わせて脚本を作るそうですがこの舞台は違う。それほど原作に出て来る言葉が美しかったのだと思います。舞台では17歳の一ノ瀬真理子を深川麻衣さんが、42歳の桜木真理子を霧矢大夢さんが演じています。といっても42歳にSKIPしてしまったから全く深川さんが出てこないのではなく、42歳の心の部分は17歳のままなので、霧矢さんと同時に深川さんが演じています。この表現の仕方はすごいなと思います。これが舞台の魅力であり舞台にしかできないことなのだと思います。
ぼくがもし今、25年すっ飛ばして45歳になってしまったとしたら、失望すると思うし、絶対にその現実を受け入れられないと思う。だけれど桜木真理子は現在の自分の立場を少しずつ理解し、受け止め、しっかりと生きていく。そんな彼女の生き方に心を惹かれた、そんな舞台でした。
2時間弱という舞台でたくさんのセリフがあり、それをすべて覚えて演じるということはとても難しいことであり、相当な努力が必要だと思います。そういう見えないところでの努力を僕は感じました。
深川さんは本当に魅力的な人です。これからも応援していきます。
最後に、この舞台を観劇して時間の大切さ、今を全力で生きることの大切さを改めて感じました。今こうしている間にも時は刻々と過ぎていくわけで今が過去になっていきます。これは大げさかもしれないけど、25年後になったとき、今までやってきたことに自信をもって生きていられればいいなと思います。
「昨日という日があったらしい。明日という日があるらしい。だが、わたしには今がある。」
そうみん